東京エリアのホテル分野における代表的な店舗デザイン・内装の実例を紹介します。ホテルの新築・リニューアルを検討している方は、ぜひ本記事を店舗づくりにお役立てください。


乃村工藝社は、ホスピタリティ、リテール、エンターテイメント、パブリックまで広範な分野で企画・設計・施工・リーシング(テナント誘致・賃貸運営支援)・業態開発に対応しています。
本事例でも内装設計・監理から制作・施工、レストラン業態開発やテナントリーシングを担当。
全館を休業して大幅なリニューアルを行い、客室では素材の陰影や光の扱い、グラフィック表現によってコンセプトをつなげつつ、窓側に大きなテーブルを設けるなど「くつろぎ」と「仕事」の両立を意識した設計です。


DESIGN STUDIO CROWは、単なる装飾に留まらず驚きや感動を生むデザインを追求しており、ホテルに求められる記憶に残る体験を設計へ落とし込みたいオーナーに向いています。
本事例では、ホテルの所在地である日比谷の劇場・映画の街としての歴史性を手掛かりに、舞台美術や衣装のきらめき、撮影機材といった要素から着想を得て、ホテル滞在の中に物語が立ち上がるような体験設計です。


店舗・オフィス空間のデザイン、設計、施工を事業内容として掲げ、店舗や空間を単なる箱ではなく、人が集い何かが生まれる場としてデザインするのがクロノバデザインの考え方です。
本事例は、5つ星をコンセプトにしている、愛犬のためのホテル。外観は、ネイビーカラーを基調に木の質感を合わせ、街並みに馴染むシックで上質な印象です。
フロントが見える構えや、2階の窓から室内の様子が窺える仕掛けによって、通行者にも中の気配が伝わるデザインになっています。
ここまで紹介した事例からも分かるように、ホテルの店舗デザインでは、ロビーや客室をきれいに仕上げるだけでなく、宿泊者が館内でどう過ごすか、スタッフがどう動くかまで考える必要があります。清掃や設備管理といった日々の運営も含めて、ホテルづくりで押さえておきたいポイントを見ていきましょう。
ホテルのデザインを考える前に、まず整理しておきたいのが「どのような人に、どう過ごしてもらいたいか」です。出張で利用するビジネス客と観光を目的とした旅行者、家族連れでは、客室や共用部に求めるものも変わってきます。
想定する宿泊者や利用シーンが見えてきたら、ロビーの使い方や客室の設備、内装の色・素材などへ落とし込んでいきます。見た目のテイストから決めるのではなく、どのような滞在を提供したいかを起点にすると、ホテル全体の方向性もぶれにくくなります。
ホテルでは、チェックインして客室へ向かうまでの時間も宿泊体験の一部です。エントランスを入ったときの見え方やロビーの照明、素材の質感、客室へ続く廊下など、一つひとつの空間がホテルの印象をつくります。
ただ豪華に仕上げるのではなく、そのホテルでどのような気分で過ごしてほしいのかを考えてみましょう。エントランスから客室まで、気持ちが自然に切り替わっていく流れをつくることで、そのホテルらしい滞在体験につながります。
ホテルは、多くの宿泊者とスタッフが長時間にわたって行き交う施設です。見栄えを優先しすぎると、フロントで荷物を預かりにくい、清掃カートを置く場所がない、備品を補充しにくいといった問題が営業後に出てくることがあります。
フロントや客室、レストランなど表から見える場所だけでなく、荷物の保管場所やリネン庫、スタッフ用の通路といった裏側のスペースも早い段階で検討しておきたいところです。宿泊者が快適に過ごせることと、スタッフが無理なく働けることの両方を意識して設計します。
エントランスは落ち着いた雰囲気なのに、客室へ入るとまったく違う印象になるなど、場所ごとにデザインの方向性が変わると、ホテル全体の一体感が薄れてしまいます。
とはいえ、すべての空間を同じ色や素材でそろえる必要はありません。ロゴやサイン、素材、照明、家具などに共通するルールを持たせ、それぞれの場所に合わせて展開します。空間が変わっても同じホテルにいると感じられるつながりがあると、ブランドの印象も残りやすくなります。
ラグジュアリーホテルでは、高級感のある素材を使うことに加えて、宿泊者が落ち着いて過ごせる余白やプライバシーへの配慮も欠かせません。エントランスからフロント、ラウンジ、客室へ進むにつれて、外の喧騒から少しずつ離れていける空間を考えます。
照明や家具、アートも単体で目立たせるのではなく、ホテルのコンセプトに合わせて選びます。素材の豪華さだけに頼らず、空間の広がりや過ごし方まで含めて上質さをつくることがポイントです。
都市部のシティホテルには、観光やビジネス、レストラン利用など、さまざまな目的の人が訪れます。宿泊者だけでなく、飲食店や宴会場を利用する人も行き交う場合は、それぞれが目的の場所へ迷わず移動できるレイアウトが求められます。
ロビーも単なる通過スペースではなく、待ち合わせや休憩、仕事など複数の使い方を想定して家具や照明を配置すると、活用の幅が広がります。目的の異なる人が同じ館内を無理なく使えることを意識して、共用部を組み立てていきましょう。
ビジネスホテルでは、限られた空間の中でも使いやすさを損なわないことが大切です。チェックインから客室までスムーズに移動できることに加え、荷物を広げる場所や仕事をするスペース、コンセントの位置なども宿泊時の使い勝手に関わります。
客室をコンパクトにする場合は、家具を置いた後に人がどのように動けるかまで確認しておきましょう。必要な機能を絞り込みながら、窮屈さを感じにくい配置にすることがポイントです。
ブティックホテルやライフスタイルホテルでは、建物や地域の特徴を取り入れながら、独自のコンセプトを打ち出す方法があります。エントランスやロビーだけでなく、客室、家具、アート、サインまで考え方をつなげることで、そのホテルならではの印象をつくれます。
一方で、コンセプトを表現することに意識が向きすぎると、使いにくい空間になってしまうこともあります。ホテルらしさを感じる演出と、宿泊施設としての使いやすさを切り離さずに考えましょう。
ホテルでは、チェックインする宿泊者や客室へ向かう人、荷物を運ぶスタッフなど、さまざまな動きが同時に発生します。動線が一か所に集中すると、フロント周辺が混雑したり、スタッフが作業しにくくなったりします。
宿泊者が利用する表側の動線と、スタッフが備品や荷物を運ぶ裏側の動線を整理し、できるだけ交差しないように計画します。宿泊者にバックヤードの作業を意識させず、スタッフも動きやすい配置にすることで、ホテルの雰囲気を保ちながら業務を進めやすくなります。
客室数が増えるほど、リネン類やアメニティ、清掃用品など、館内で運ぶ物も多くなります。リネン庫や清掃カートの保管場所が客室から遠すぎると、毎日の清掃に余計な移動が増えてしまいます。
搬入口からバックヤード、各階の保管場所、客室までの流れを確認し、宿泊者の動線となるべく重ならないように配置します。東京都の旅館業法施行条例では、客室や食堂、浴室、廊下、階段などを清潔に保つことや、施設内で安全衛生上・業務上必要な照度を確保することが定められています。毎日の清掃や管理を無理なく続けられるレイアウトにしておくことも、ホテルづくりでは欠かせません。
客室では、廊下の話し声や隣室の音、エレベーターや設備機器の稼働音などが滞在中の快適さに影響します。壁の仕上げだけでなく、扉や設備の位置、配管や機械室との距離まで確認しておきたいところです。
特にエレベーターやランドリー、機械室など、音が発生しやすい場所の近くに客室を設ける場合は、設計段階から音の伝わり方を確認します。完成後に対策するのではなく、客室の配置を決める段階から音を考えておくことで、対応もしやすくなります。
初めて訪れた宿泊者でも、フロントやエレベーター、客室、レストランなどの場所が分かるようにしておく必要があります。案内表示を増やすだけでなく、通路の向きや照明、床・壁の切り替えによって、自然と進む方向が分かるようにする方法もあります。
海外からの宿泊者を想定する場合は、多言語表記やピクトグラムの使い方もそろえておきたいところです。観光庁でも、外国人旅行者が必要な情報を得やすくするため、多言語での案内表示に関するガイドラインを公開しています。文字を読まなくても移動しやすく、必要な情報は迷わず見つけられるサイン計画を目指しましょう。
ホテルには、車いすを利用する人や高齢者、視覚・聴覚に障害のある人など、さまざまな宿泊者が訪れます。国土交通省のホテル・旅館向け建築設計標準でも、客室だけでなく、共用部や案内、非常時の対応まで含めたバリアフリー計画が示されています。
エントランスや廊下の段差、エレベーターまでの移動、客室や水回りの使いやすさなどを確認し、館内の移動が途中で途切れないように考えます。内装や家具を変更するときは、避難経路や防火設備を妨げないことも必要です。普段の使いやすさと、非常時にも安全に移動できることの両方を踏まえて計画しましょう。
ホテルのリニューアルでは、既存の柱や梁、配管、空調、エレベーターなどを踏まえて計画を立てます。完成後のイメージだけを先に固めてしまうと、設備を移設できなかったり、想定以上に工事範囲が広がったりすることがあります。
まずは現在の図面や設備の状態を確認し、どこまで変更できるのかを整理しましょう。旅館業では、設備の変更内容や規模によって届出や新たな許可が必要になる場合があります。また、適用される構造設備基準は所在地によって異なるため、デザインを固める前に管轄の保健所へ確認しておくと安心です。
既存ホテルのすべてを新しくする必要はありません。建物の特徴になっている素材や家具、まだ十分に使える設備を残しながら、使いにくい部分や古さが目立つ場所を更新する方法もあります。
宿泊者の目に触れる場所だけでなく、設備の更新時期やメンテナンスのしやすさも確認しておきましょう。古いから変えるのではなく、ホテルの魅力として残すものと、運営上見直すものを分けることで、リニューアルの方向性も決めやすくなります。
ホテルを営業しながら改修する場合は、どの客室や共用部をいつ工事するかによって、宿泊者やスタッフへの影響が変わります。工事音やほこり、人の出入りが宿泊エリアへ及ばないよう、工区や作業時間を検討します。
消防設備や間仕切り、避難経路に関わる工事も、着工してから確認するのでは遅くなります。東京消防庁では、対象となる防火対象物の修繕・模様替えや間取り変更などについて、工事着手前の届出が必要となる場合があると案内しています。営業スケジュールだけでなく、必要な申請や届出にかかる期間まで含めて工程を組むようにしましょう。
ホテルには、客室だけでなくロビーや廊下、飲食スペース、バックヤードなど、用途の異なる空間が一つの建物に集まっています。デザイン会社を選ぶ際は、店舗や住宅の実績だけでなく、ホテルや宿泊施設を手掛けた経験も確認しておきたいところです。
完成写真を見るだけでなく、自社が計画しているホテルと近い規模やタイプの実績があるか、そこでどのような課題に対応したのかも聞いてみましょう。デザインの好みだけでなく、ホテル特有の運営を理解しているかも判断材料になります。
デザイン会社には、コンセプトづくりから設計、施工まで一貫して対応する会社もあれば、設計を中心に手掛ける会社もあります。自社がどこまで任せたいのかを整理したうえで、対応範囲を確認しましょう。
ホテルの開業や改装では、内装だけでなく設備や家具、サイン、消防、各種申請など、多くの担当者が関わります。誰がどこまで担当し、専門業者との調整を誰が担うのかを契約前にはっきりさせておくと、計画途中の行き違いを防ぎやすくなります。
「高級感のあるホテルにしたい」「海外からの旅行者にも選ばれる空間にしたい」といったイメージだけでは、具体的な設計の方向性まで決めにくいものです。希望する雰囲気を形にするだけでなく、ターゲットや立地、提供するサービスまで踏まえて提案してくれる会社かを確認しましょう。
コンセプトが整理されていれば、ロビーや客室、家具、サインなどを決める際の基準もそろいます。ホテルの特徴を言葉にし、それを空間へ落とし込める会社かという視点で提案内容を見ると、比較しやすくなります。
ホテルは、完成したときの状態だけを見ても使いやすさまでは分かりません。営業が始まれば、毎日の清掃や備品の補充、家具・内装材の修繕などが発生します。
汚れやすい場所に合った仕上げを選んでいるか、家具や設備を交換しやすいか、スタッフの作業スペースを確保できているかなども確認しておきましょう。オープンした瞬間の見栄えだけでなく、その状態を無理なく保ち続けられるかまで考えてくれる会社なら、開業後の運営も見据えて相談しやすくなります。
ホテルの店舗デザインでは、ロビーやラウンジなどパブリックの第一印象と、客室や付帯施設の滞在の質、さらに飲食・バーの収益性を同時に磨き上げることが重要です。
店舗デザイン会社を探す際は、見た目の好みだけでなく、どの機能を強化したいのか、どんな顧客体験を実現したいのかを言語化した上で、実績の方向性や対応範囲を照らし合わせると良いでしょう。
当メディアでは、ホテルをはじめ、エステサロンならリラクゼーション重視、飲食店ならオペレーション重視、商業施設ならエンターテイメント重視など、デザインしたい空間別に東京でおすすめの店舗デザイン会社をまとめています。
店舗デザインやリニューアルを検討中の方は、ぜひ理想の店舗イメージを探してみてください。
東京エリアで店舗デザイン・内装設計に対応しているおすすめの会社を事例の多い空間別に厳選しました(※)。
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※東京エリアの事例数は各社公式サイトの掲載情報を基にした編集チーム調べ(2026年1月15日時点)