店づくりのポイント">
渋谷でカフェを開業・改装するなら、見た目の印象だけでなく、注文から受け取りまでの流れや、客席での過ごしやすさまで考えたいところです。駅前の商業施設と奥渋谷の路面店では、通行人に店を知ってもらう方法も異なります。
本記事では、渋谷周辺のカフェデザイン事例を紹介しながら、レイアウト、内装・外観、設備、デザイン会社選びのポイントを整理します。出店場所や営業方法に合った店づくりを考える際にお役立てください。
はじめに、どのような人が、どの時間帯に、何を求めて来店するかを整理します。渋谷では立地と営業形態によって求められる空間が変わるため、内装の方向性を決める前に利用シーンを具体化しましょう。
駅近くで短い休憩に利用される店と、少し歩いてでも訪れたくなる専門店では、必要な席や入口の見せ方が違います。通勤・通学、買い物、観光など、出店候補地を通る人と、来店を見込む時間帯を確認しましょう。
例えば持ち帰りが多いなら受け取りのしやすさ、会話を楽しむ利用が多いなら席の間隔が重要です。「誰が、いつ、何をしに来るか」を書き出し、席数や照明を決める基準にすると、デザインの方向性が定まります。
印象的な壁やカウンターは、来店のきっかけになり得ます。ただ、写真に映える色や素材だけで選ぶと、座ったときにまぶしい、隣席が近い、荷物を置きにくいといった使いづらさが残ることがあります。
入店後に過ごす場所の明るさ、椅子の座り心地、空調の当たり方も確かめましょう。初回来店のきっかけと、また利用したくなる快適さを両方考え、客席で実際に過ごす時間を想定して設計します。
コーヒーを淹れる工程を見せたい店、焼き菓子を選んでもらいたい店、食事をゆっくり楽しむ店では、主役になる場所が異なります。メニューの提供方法を先に整理すると、カウンターや陳列棚の配置を考えやすくなります。
色や装飾を決めるときも、商品の見え方や価格帯、店で過ごしてほしい時間と結び付けましょう。メニューから空間の役割を考えると、写真映えだけに頼らず、その店らしさを伝えられます。
持ち帰り客、店内利用客、配達員が同じカウンター前に集まると、注文待ちと受け取り待ちの列が重なりやすくなります。営業形態ごとに、入店から会計、商品の受け取り、退店までを図にして確認しましょう。
受け渡し場所を分けるか、時間帯に応じて運用を変えるかは、面積や人員によって判断します。混雑時にも入口と通路を使えることを優先し、デリバリーを導入する予定がある場合は、受け取りの待機場所も見込んでおきます。
渋谷にあるカフェやドリンク専門店から、使い方が異なる事例を紹介します。各社が公表している施工・設計資料をもとに、入口、カウンター、客席、空間演出の工夫を見ていきましょう。

コンテナワークスが公開する、渋谷区のコーヒースタンド施工事例です。テナントビルの敷地内にトレーラー式のコンテナ店舗を設置し、跳ね上げ式の壁によって営業時に外部へ開いた印象をつくっています。
客席の広さよりも、通行人からの見つけやすさと受け渡しのしやすさを優先する場合の参考になります。限られた面積で商品と入口をどう見せるかを考える事例です。トレーラー型のため、通常のビルイン物件へそのまま当てはめず、使える要素を選んで参考にしましょう。

渋谷センター街にある、テレワークにも利用できるカフェの事例です。カエル・デザイン・プロジェクトは同店の施工管理を担当。天井高に余裕がなく梁もある空間で、ルーバーや照明の見え方を調整したと説明しています。
作業を伴う長めの滞在を想定する店では、席だけでなく、視界に入る天井や照明の圧迫感にも配慮したいところです。滞在中の使いやすさと空間の印象を一緒に考える際に参考になります。設備や意匠の施工範囲は、出典に記された担当内容に沿って確認しましょう。

MIYASHITA PARKにある「VALLEY PARK STAND」は、公式サイトで朝昼はカフェ、夜はカクテルを提供するバーと案内されています。スペースは、同店を含む「sequence MIYASHITA PARK」の飲食空間で実施設計・施工などを担当しました。
昼は注文のしやすさ、夜は落ち着いて飲み物を楽しめる雰囲気など、同じ店でも時間帯で求められることが変わります。昼夜の営業を見据えたカウンターと照明を考えるヒントにしましょう。施設全体の施工事例のため、該当するカフェ部分に着目して参考にしましょう。
営業形態の参照:sequence MIYASHITA PARK公式HP(https://www.sequencehotels.com/miyashita-park/restaurant/cafe/)

奥渋谷の抹茶スタンド「八十八 渋谷」は、MOAIによる空間デザイン事例です。掲載資料では、入口からカウンター、オープンテラス、ベンチへとつながる動線と、お茶を点てる様子が見える円形カウンターを紹介しています。
専門性のある飲み物を提供するなら、でき上がった商品だけでなく、つくる工程も店の魅力になります。作業を見せながら、注文と受け取りを滞らせない配置を考える際の参考例です。抹茶を扱う専門店なので、一般的なコーヒーカフェとのメニューや設備の違いも踏まえて見てみましょう。

渋谷駅前のQFRONTにあるスターバックスの事例です。日本空間デザイン賞の掲載ページには、店舗のデザインに加え、アートワーク、映像、照明の担当者が記されています。飲食の場に複数の表現を組み合わせた参考例です。
コンセプトを形にする際は、装飾を増やすことより、客席から何が見え、どのように過ごせるかが大切です。体験の軸を決めてから素材・光・映像を選ぶ考え方を参考にできます。大規模な駅前店舗のため、小規模カフェでは予算と運用に合う要素を選びましょう。
カフェでは、お客様の動線とスタッフの動線がカウンター周辺に集中します。見た目の良い配置でも、営業中に注文列や配膳が滞ると使いにくくなるため、混雑時の動きを想定して検討しましょう。
入口から注文方法が分かるか、会計前にメニューを見て立ち止まれるかを確認します。先会計の店なら、注文待ちの列が客席への通路や出入口をふさがない配置が必要です。入店直後に客席を選ぶ店では、その案内も考えましょう。
図面上では通れても、実際には鞄やベビーカー、椅子の引きしろが必要です。入店から着席までをお客様の視点で歩いてみると、サインや家具の位置の問題を見つけやすくなります。
ドリンクをつくる場所、洗い場、冷蔵庫、配膳口が離れると、短い注文でもスタッフの移動が増えます。主力メニューを誰がどの順番でつくるかを整理し、必要な機器を置いた状態で作業を確認しましょう。
スタッフ同士がすれ違う場所や、熱い飲み物を客席へ運ぶ経路にも注意が必要です。ピーク時の同時作業を基準にした配置を考えれば、開業後にカウンターや設備を動かす手戻りを減らせます。
短時間の1人利用が多いならカウンター席、会話を楽しむ2人以上の利用が多いならテーブル席など、想定する過ごし方に合わせて席を組み合わせます。席数を増やす前に、椅子を引く幅と通路の確保を確認しましょう。
小さなテーブルを移動できるようにすると、人数に応じて使い方を変えられます。ただし、動かせる家具が配膳や避難の妨げにならないようにします。利用人数と滞在時間に合う席を優先することが大切です。
作業利用を見込む場合は、電源のある席をどの程度設けるか、通信環境をどう整えるかを早めに決めます。全席に電源を設ける必要があるとは限らず、回転を重視する席と長めの滞在を想定する席を分ける方法もあります。
足元の配線やコンセントの位置は、椅子や通路との関係まで確認しましょう。バッグを置く棚やフックも、席を狭くしすぎず使える場所に設けます。提供する利用体験に合わせて設備を配置するのが基本です。
注文カウンターで商品も渡す場合、注文待ちと受け取り待ちが同じ場所に集まります。混雑が見込まれるなら、受け渡し口や呼び出し位置を分けるなど、お客様が次にどこへ進むか分かる配置を検討しましょう。
持ち帰り用の袋やカトラリーを取る場所、配達員の待機位置も含めて考えます。受け取った人が注文列に戻らず退店できる経路をつくると、入口付近の混雑を抑えやすくなります。
カフェの印象は、通りから入口を見たときに始まり、着席して過ごす間にも変わります。写真で魅力が伝わる場所と、実際に利用しやすい場所の両方を考えて設計しましょう。
通行人が入口を見つけられるように、看板だけでなく、窓から見える商品やカウンター、照明も活用します。路面店なら歩く方向からの見え方、ビル内の店なら建物入口から店舗までの案内を確認しましょう。
店名が見えても何を提供する店か分からなければ、初めての人は入りにくく感じる場合があります。店の種類、入口、注文方法が短時間で伝わる外観を目指し、看板や窓の変更が許される範囲も物件選びの段階で確かめます。
特徴のある壁や客席は、店の雰囲気を伝える助けになります。ただ、撮影する人の動きが注文列やほかの席とぶつかる配置では、日々の営業に負担がかかります。人が立つ場所や背景に映る範囲も考えましょう。
写真を撮りやすい一角をつくる場合も、まずは商品を自然光や照明でおいしそうに見せることが大切です。撮影と通常利用が両立する席・通路を意識し、店内全体の快適さを損なわない計画にします。
外看板、メニューボード、カップ、店内のサインで色やロゴの扱いが大きく異なると、店の印象が散漫になりがちです。主役にする色と補助的に使う色を決め、商品が目立つ背景や什器を選びます。
すべての面をブランドカラーで埋める必要はありません。お客様が接する場所で一貫して店らしさが伝わることが重要です。汚れや傷が目立ちやすい場所では、色と素材の維持しやすさも合わせて確認しましょう。
落ち着けるカフェにしたいなら、明るさだけでなく、光が目に入る角度や席で聞こえる音量も確認しましょう。硬い仕上げ材ばかりを使うと音が響く場合があるため、壁や天井、家具の素材も組み合わせて考えます。
コーヒーや料理の色が見えやすい照明と、手元が使いやすい明るさは、席によって必要なバランスが違います。実際に座って感じる光と音を確かめ、過ごしてほしい時間に合う環境をつくります。
朝は外から店内が明るく見えても、夕方には窓が反射して中が見えにくくなることがあります。夜も営業する場合は、入口の明るさや客席の見え方が、昼とどう変わるかを現地で確認しましょう。
朝の持ち帰り、昼の食事、夜の落ち着いた利用など、時間帯で提供する体験が違うなら照明を調整できる計画が役立ちます。営業時間を通して外からの印象と店内の快適さを確認することが大切です。
カフェは席や装飾に目が向きやすい一方、厨房設備や清掃など、営業を始めてから毎日使う部分も重要です。図面と完成イメージを見る際は、満席時と閉店後の作業まで想定してみましょう。
席を一つでも増やしたいと考えると、カウンター内や配膳の通路を狭くしがちです。しかし、スタッフがすれ違えない、下げた食器を置けない配置では、ピーク時の提供に時間がかかることがあります。
席数は売上計画とともに、注文の処理能力や客席の滞在時間から決めましょう。増やした席を無理なく運用できるかを検討し、スタッフとお客様が安全に動ける幅を残します。
コーヒーと焼き菓子だけを提供する場合と、加熱調理を伴う食事も出す場合では、必要な給排水、電気、換気設備が変わります。開業後にメニューを増やしたくても、設備の余力がなければ対応が難しい場合があります。
導入予定の機器名と台数、同時に使う時間帯を設計会社に伝え、物件側の設備と照らし合わせましょう。メニューと設備の整合を契約前に確認することで、追加工事の範囲や費用を見込みやすくなります。
長く過ごせる席を用意する一方で、短時間の利用を前提とした売上計画を立てると、想定と実際の営業に差が出ます。反対に、ゆっくり過ごしてほしい店で席を詰めすぎると、提供したい体験が伝わりにくくなります。
客単価や営業時間だけでなく、1組あたりの利用人数と滞在の目安を考えましょう。目指す過ごし方に合う席数と席の種類を選び、繁忙時に待機する場所まで見込んでおくことが必要です。
凹凸の多い壁や細かな装飾、汚れの残りやすい素材は、完成時に魅力的でも日々の清掃に時間がかかる場合があります。飲み物がこぼれやすいカウンターやテーブルは、拭き取りやすさも重要です。
素材を選ぶ際は、飲食物の汚れへの強さ、傷んだ部分の補修方法、閉店後の掃除を想定します。きれいな状態を保てるデザインなら、開業時の印象を営業の中でも維持しやすくなります。
依頼先を比較するときは、完成写真の好みに加え、希望するメニューと営業方法を実現できるかを確認します。物件が決まっている場合は、現地の設備や工事条件を踏まえた提案を受けましょう。
同じ飲食店でも、コーヒースタンドと食事を提供するカフェでは必要な厨房や席が異なります。自店に近い規模とメニューの実績を探し、写真だけでなく、注文方法や運営上の課題をどう解決したかを聞いてみましょう。
実績に記載された「設計」「施工」「施工管理」は担当範囲が違います。どの工程をその会社が担ったかまで確認すると、相談したい内容に合う会社を選びやすくなります。
厨房機器の配置は、電源や給排水、換気、清掃のしやすさと一緒に決める必要があります。依頼先には、提供する飲み物や料理、想定するピーク時の注文数を伝え、設備工事の担当者とどう調整するかを確認しましょう。
見た目の提案だけでなく、機器の使用条件を図面に反映できる体制が大切です。メニューとオペレーションを起点に厨房を設計できるかを比較することで、開業後の使いやすさを見極められます。
渋谷の商業施設や複合ビルでは、看板、搬入経路、工事時間に条件が設けられる場合があります。路面店でも、排気や入口周辺の利用について周囲との調整が必要になることがあります。
候補物件の住所だけでなく、管理規約や既存設備の資料を共有し、現地調査の範囲を確かめましょう。物件ごとの制約を設計の早い段階で整理できるかが、会社を比べるポイントです。
会社によって、コンセプトの提案、設計、施工、施工中の確認、看板や家具の手配まで対応範囲が異なります。厨房業者や設備業者との連絡を誰が担うかも、見積もりと合わせて確認しましょう。
工事中に設備や予算の調整が必要になった場合の進め方、引き渡し後の相談窓口も聞いておくと安心です。開業までに必要な仕事と担当者を明確にすることで、提案内容と費用を比べやすくなります。
渋谷のカフェ店舗デザインでは、出店場所を訪れる人と、その店での過ごし方から空間を考えることが大切です。持ち帰り中心の店、長く滞在する店、昼夜で使い方が変わる店では、適したカウンターや客席の配置も変わります。
事例を参考にしながら、厨房設備、混雑時の動線、清掃のしやすさを物件の条件と一緒に確認しましょう。デザインと日々の営業を両方考えられる会社を選ぶことが、自店に合ったカフェづくりにつながります。
当メディアでは、実現したい空間に合わせて東京の店舗デザイン会社を紹介しています。渋谷でカフェの開業・改装を検討している方は、依頼先を比較する際にご活用ください。
東京エリアで店舗デザイン・内装設計に対応しているおすすめの会社を事例の多い空間別に厳選しました(※)。
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※東京エリアの事例数は各社公式サイトの掲載情報を基にした編集チーム調べ(2026年1月15日時点)