店舗の開業資金の中でも、内装工事費は大きな割合を占める費用のひとつです。自己資金だけですべてを賄えるケースは少なく、多くのオーナーが融資を活用して開業準備を進めています。
「融資の審査にはどのくらい時間がかかるのか」「内装の打ち合わせと、融資の申し込みはどちらを先に進めればよいのか」――この2つを別々に考えてしまうと、開業までの期間が想定より長引く原因になります。本記事では、店舗開業における資金調達の基本と、内装の設計スケジュールと融資審査を連動させる考え方を解説します。
店舗開業における代表的な資金調達手段が、日本政策金融公庫による「新規開業資金」です。新たに事業を始める方や、事業開始からおおむね7年以内の方を対象とした融資制度で、原則として無担保・無保証人で利用できる点が特徴です。
日本政策金融公庫総合研究所が実施する「新規開業実態調査」によれば、2025年度調査では開業費用の平均値は975万円となっています(出典:日本政策金融公庫総合研究所「2025年度新規開業実態調査」)。また、2024年度調査では、開業時の資金調達額合計(平均1,197万円)のうち自己資金は平均293万円(同24.5%)という結果が示されています。あくまで平均値であり、業種や規模によって必要な金額は大きく異なりますが、資金計画を立てる際の一つの目安になります。
なお、以前は「新創業融資制度」という創業者向けの制度がありましたが、2024年3月に廃止され、現在は「新規開業資金」に統合されています。制度は時期によって変更されるため、申し込みの際は日本政策金融公庫の公式サイトで最新の内容を確認してください。
融資審査をスムーズに進め、開業までの期間を無駄なく短縮するためには、内装の設計スケジュールと資金調達の手続きを並行して進める視点が欠かせません。
内装の平面図やコンセプトなど大まかな方向性が固まる「基本計画」の段階で、施工会社から概算の見積もりを取得できると、事業計画・候補物件・内装費用の見込みが揃い、融資の審査を進めやすくなります。逆に、内装の詳細が固まらないまま融資の申し込みだけを先行させると、事業計画書の説得力が不足し、審査に時間がかかる場合があります。
融資審査には一定の期間を要します。この間、内装会社との詳細な打ち合わせや基本設計を並行して進めておくことで、審査結果が出た後にスムーズに契約・着工へ移行でき、開業までの全体期間を短縮しやすくなります。
事業計画書の中でも、内装工事や設備投資にかかる費用の根拠は、審査担当者が重視するポイントのひとつです。相見積書や過去の類似事例の資料などを添付し、費用の内訳が具体的に説明できる状態にしておくことで、事業計画全体の信頼性が高まります。
自己資金についても、審査における重要な判断材料のひとつとされています。目安として、融資希望額の3割程度の自己資金があると安心といわれていますが、あくまで一般的な目安であり、事業内容や金融機関によって基準は異なります。詳細は日本政策金融公庫や取引金融機関に直接確認することをおすすめします。
内装工事の計画は、単に「デザインを決める」だけでなく、資金調達のスケジュールとも密接に関わっています。事業計画書に必要な概算見積もりを早い段階で提示してくれるか、融資審査中の設計期間を見据えたスケジュール提案をしてくれるかどうかも、内装会社を選ぶ際の視点のひとつになります。
当メディアでは、リラクゼーション、オペレーション重視、エンターテイメント性など、実現したい空間タイプ別に東京のおすすめ店舗デザイン会社を紹介しています。店舗デザインを検討している方は、参考にしてください。
東京エリアで店舗デザイン・内装設計に対応しているおすすめの会社を事例の多い空間別に厳選しました(※)。
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※東京エリアの事例数は各社公式サイトの掲載情報を基にした編集チーム調べ(2026年1月15日時点)